...People talking without speaking. People hearing without listening....「知らぬ間に脳裏に植えつけられた闇の病魔は確実に成長を続けている
なのに人は目的もないことをただしゃべり、耳を傾けることもなく聞き流すばかり、、、警告は身近なところにある、静寂な音の囁き。」
(作詞:P.Simon/訳:伊藤正)
■アルバム「サウンド.オブ.サイレンス」
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5番まである歌詞それぞれのきれいな結び方がイメージを膨らませる
・・・Within the sound of silence
・・・And touched the sound of silence
・・・Disturb the sound of silence
・・・And echoed in the wells of silence
・・・And whispered in the sound of silence.
ポップスの歌詞とは思えない内容と構成で、これを若干20歳すぎに書いたと言うのだから恐れ入る。聞くと聴く、話すとしゃべるなどを英語では、明確に使い分けているのを絶妙に引用している。
知らないうちに蝕まれ、広がる闇の病魔は「自己」「企業内」「社会」「夫婦間」どこにでもあるものだ。目に見えないテーマが「間」の空間を生み、聴くものに奥行き感を与えている。無痛の痛みのように相反する言葉の掛け合わせ「
Sound of Silence」詩的であり、響きも美しい。
言葉(素材パーツ)を吟味の上、その言葉により美しい響きを導きだす素材の活かし方。歌詞と言う限られたスペースの繰り返しの中において、一つのコンセプトを決め統一感を持たせる知的操作。パーツが集まりエレメントを形成、その集合体が全体として一つにまとまり、深いメッセージを伝えるように組み立てていく。
正にこんな建築を目指したい。
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