ナレッジ-マネジメント(K-M) [murmur語録]
「知」には2種類、「形式知」と「暗黙知」に分けると言う考え方がある。形式知は目で見えるものに置き換えできる知で、言葉や図表などで伝達できるもの。暗黙知は言葉などでは説明しにくいもの、勘であるとか、経験に基づく判断、技、発想などで伝えにくいものをさす。ナレッジマネジメント(K-M)ではこの暗黙知をデータベース化して共有し、皆で活用しようと言うことらしい。そんなことができるなら、ぜひ取り組みたいが、言葉にならないものをどのようにデータ化するのかが難題だ。

たとえば、初めて自転車に乗る人にその技術を言葉だけで伝授することは難しい。実際に乗れるようになったとしても、街中のさまざまな状況に対して、とっさに判断できるようになるにも形式知(言葉や知識)だけでは難しい。
設計における、ミソの部分はほとんどが「暗黙知」
たとえこれをデータベースに出来たとしても、その活用の時点でまた暗黙知が必要となる。設計手法、建築計画概論、ディテール集、法令集、、、形式知や暗黙知のデータや情報は巷にあふれている。もちろんこれらは必要なデータであるが、データがあれば誰でもが設計できるものではない。
場を読む、空気を感じ取る、タイミングを計る、、、、コーディネートのツボもまた、ほとんどが「暗黙知」。コーポラの場合、重要な仕事のほとんどが暗黙知と言ってもよい。
この暗黙知が企業の空気となり、イメージとなっていく。
暗黙知を一つでも形式知へ変換し、全員で共有することが企業レベルの底上げにつながる。とは言え、知識の整理や積み上げだけではほとんど意味がない、必要なのは「調べる習慣とデータの活用」の習得が基本であり、必要な辞書の整理、辞書そのものの情報収集。
知識は暗記するのではなく、すぐ引き出せることが重要だ。知識に基づく知恵。記憶力に基づく想像力。何よりも大事なのが「考え方と調べ方の訓練と基礎知識の習得」だ。特に考えることの重要性は何にも勝る。考えのない行動は作業であり処理でしかない。
どうもナレッジマネジメントの実質的な有効性は自己整理の部分において発揮されるように思う。マネジメントそのものが知恵を要求してくる。
ブログも一つのツールとしてありえるかもしれない。