根回し [ゼロワンの設計を語ろう]
今工事中の吉祥寺PJのシンボルツリーを決めに行って来た。常緑で3階の窓からも見える樹高となると、意外と選択肢は少なく、今回は事前にクスノキあたりに狙いを定めていた。クスノキの生産(!)畑は成田から海岸のほうへ行った場所にある。同じような形、大きさの木がずらりと並ぶ。皆、主の幹がすっと垂直に立ち、整った樹形が整然と並ぶ様は、正に生産という言葉がぴったり。
そんな優等生が並ぶ中、一本だけ先が大きく枝分かれし、途中の枝も暴れるように乱れている木を見付け、迷わずその木を選んだ。さしずめ、農協なら、はねられてしまうのかもしれない。もともと、クスノキはまとまった形のものが多く、ちょっと物足りなさを感じていたので、何百本とあるある中、一本だけあったその木は出会いそのものだと思った。造園農家の人も造園業の人もちょっと驚いていたようだ。笑)。
成田から吉祥寺に移植するためには、根廻しと言って一年前から根を切るなどの準備をしておかねばならない。なので、来年完成の計画なのに今から木を選ばねばならないのだ。これぞ、「根回し」の語源。まことに用意周到な万全の準備、これなしだと、枯れてしまうリスクが高いらしい。

