道後オンセナート2014見学memo [建築家のオフタイム]

松山の道後オンセナートを先日、案内してもらいました。その中で、ホテルの一室をインスタレーションする招待アーティスト中で、唯一の建築家である谷尻誠さんの手がけた部屋を紹介したいと思います。

インスタレーションとは空間全体で表現する3D展示作品のことです。表現方法は様々ですが、抽象世界や空想世界など現実ではない世界を、現実空間に見たてる表現が多く見られます。もしくは素材の意外な使い方や作家の作品を通じて、別の現実世界感を表現することも多いです。

回りくどい言い方ですが、要は、嘘を本当の様に見せるか、虚構を別の嘘の世界に見せるか、そんな表現が一般的ではないかということです。

それに対して、この谷尻さんの手がけた部屋は、全く逆で、目の前にある現実、リアルな世界を非現実の嘘の世界に見せるという不思議な空間でした。
まずは見てみてください。

写真 1

これは実際にあるホテルの一室の写真です。テレビも冷蔵庫も照明器具もカーテンもみんな本物です。もともと、ホテルの客室で使っていた部屋とその備品そのものなのです、単純に不思議でしょう? 


扉を開けて部屋に入った時は、ペンキをベトベト塗って汚くしただけで、「あーあ、あ、やっちゃったよ!」と絶句したのが第一印象でした。ただ単にハメを外しただけの部屋と見えたのが、時とともに、はたと、別世界へ引き込まれて無重力感覚に襲われ、気付けば二次元の絵画の世界へワープして、自分も絵の一部になったような不思議な体験をすることになりました。地に足が着いていないような奇妙な感覚は部屋を出るまで続き、出るころには、悪評も聞かれるこの部屋だけれど、なかなかどうして、インスタレーションとしての空間つくりにおいて、逆転の発想や、空間演出はさすが、建築家!なかなかやるもんだと感心させられました。

・・・とは言いつつも、道後オンセンナートの作品、草間弥生さん、アラーキー、谷川俊太郎さんなど、すべて見させていただきましたが、一番好きなのは、茶玻瑠の石本藤雄さんの手がけた部屋ですね。自然体で品があって、なにより居心地が良い。最近、空間つくりは結局のところ居心地の良いスペースを作ることなんじゃないかと思ってます。あまりに押し付けが強いと疲れてしまいますね。

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http://www.hotelhorizontal-dogo.com/
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