こだわりのデザイン-10:コンクリートの表情 [ゼロワンの設計を語ろう]

コンクリートはセメントと砂利と砂および水を混ぜたものを型に流し込んで固めるもので、その表情は型枠の表面で決まる。(強度は配合で決まる、実にデリケートな素材である)
つるつるの型を使えば、つるつるな表面、ざらざらな表面の枠を使えば、ざらざらな表面になる。よく見られる打放しはつるつるな表面が多いが、型に使うベニヤ板そのままではざらざらになってしまうため、型枠ベニヤに塗装を施す。かつてはベニヤではなく杉板を使い木目を出す仕上げも多く見られたが、最近では高価なためか、あまり見られない。
一見、ローコストに見える打放しであるが、型枠に塗装を施したり、きれいに仕上げるために新しい材料しか使えないであるとか、仕上がり表面を保護するために無色透明の撥水材を塗るなど、下手にタイルを張るより、よっぽどコストがかかっている。
とは言え、表情の自由があり、素材感を活かした仕上げは他に見当たらないので使わない手はない。今回のこだわりはその表情について。
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■J-alleyエントランス部分の壁の表情 コンクリートの壁によく見られる目地。これは型枠に細い目地棒を入れておくと、型枠と共にその目地棒をはがした時に細いスリット上の目地ができる。平らな表面の一部を凹ませるのは簡単なのだが、逆に出っ張った目地を作るには、出っ張らせるところ以外に木材などを入れなければならず、大変なのだ。よって、なかなかお目にかかることが少ないのが出目地と言える。
上のアレイの写真のような出目地で凹凸を作るには手間と材料が多く必要となる。この場合凸面の表面をわざと叩き壊しているのだが、ハツリ仕上げと呼ばれる仕上げ方法で、二重三重に手が込んでいる、こだわりの仕上げなのだ。
さらにこだわったのが、大きな曲面を描く小石川ウォールズの外壁。こちらはベニヤ型枠の内側に樹脂で特別に製作した三角状のリブ型枠を使った。
その表面を3人の石工がノミとハンマーで叩きだしたものだ。アレイは機械で叩いたが、こちらは人手によったので1ヶ月以上もかかった。

型枠に始まり、表面の仕上げにいたるまで人手による、なんともアナログな世界であるが、不思議なことにこのようなアナログなつくりには、そのつくってくれた人のぬくもりが宿り、コンクリートであるにもかかわらず優しい雰囲気になる。
打放し仕上げは失敗も許されないデリケートな仕事が必要になるが、その緊張感も好きだ。
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■小石川ウィールズ外壁の表情:30m角もある外壁の一部のアップ写真
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コメント

小石川のコンクリートの表情は圧巻ですね。よく現場がついてきたなーと思います。

表面に光に呼応するテクスチャーがあると素材はいきいきとしてきますね。つるつるのコンクリート打放しもきれいだけど、すこし質感が型枠に押さえ込まれすぎる印象を受けたりときがあります。西原PJで外壁にコンクリートをどう生かすことができるかが悩みどころかな。塗装型枠を使うと、コンクリ打ちのときに昔の杉板型枠とか普通ベニヤの型枠みたいに、表面の水が抜けないから、仕上がりがどこかモルタルっぽくなって、コンクリートの質感がよどんだ感じにも見えたりするのが...
テラゾーみたいに全面研ぎだし、とか面白いだろうな。コスト的に現実には無理だけど。

  1. 2005/07/07(木) 13:25:26 |
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