コーヒーブレイクの文化「フィーカ」 [プロジェクトその後]
staff 安藤北欧の国に興味をもつようになったのは、デンマークのデザイナー、ハンス・J・ウェグナーの家具に一目惚れしたからです。大好きな作家のエッセイに「GE290」の一人掛けソファが登場し、ずっと使っても飽きなさそうな普遍的なデザインに魅入られました。家具に限らず建築や腕時計、そしてコーヒーと、北欧には気になるものがたくさんあります。
そんな北欧の文化を「いいなぁ」と思った最初のきっかけが、実は2年以上前にありました・・・。



今年竣工後まる2年を迎えたコーポラティブハウス【Fika/吉祥寺】。竣工前、建物名称を決める建設組合での議論が印象的でした。
「Fika(フィーカ)」とは、コーヒーを飲みながらくつろぐスウェーデンの生活習慣のことだそうです。ひとりでコーヒーを楽しむこともあれば、同僚、友人、家族と語りながら楽しい時間を過ごすこともあるそう。国民一人ひとりの幸福度が高いと言われる北欧らしさがあふれた、素敵な習慣ですね。
「スウェーデン語で『お茶しない?』という意味で使われ、フィーカの時間とは日常の楽しみ、くつろぎの大切なひとときである。建物内で会ったときに『フィーカ?(お茶しない?)』と挨拶できるような間柄になれれば」と提案された入居者の想いを、いまでもよく覚えています。コーヒーを飲みながら誰かと語りあう、そんなゆるくも快適な時間を自宅で過ごせちゃうのが、コーポラティブハウスなのだと思いました。コーポラの良さはフィーカにある?
この建物名称にふさわしく、入居者同士の自発的な集まり・意見交換が行われたり、共用部の維持管理についても有志で意欲的に取り組んだり。コーポラらしさを感じることが多いのがFikaの特徴です。屋上共用テラスの菜園で育てたものをみんなで食べながらフィーカ、なんてことも実現しそう。