第1話:地下住戸--1 [クライアントは僕]
手にする住まいは地下住居。しかも北向き。おてんとうさまの国では敬遠されがちな住まいなのかな。
でも僕は一般的にイメージの良くない条件でも、
実はこんなに快適な住まいになるのだよと、
実践してみせようと意気込んでいる。

■これは01のオフィス(地下)より外を見上げた写真。
今度はこのような2層分の高さのサッシュはない。。。しかもこれは南向き。その分、幅が広いサッシュになる
個人的にはまったく地下住戸に対する抵抗はなく、都内の住宅地であれば、むしろ地下のほうが望ましいくらいだと考えている。理由はたくさんあるが、プライバシーも高く、落ち着く。居住環境も安定していて、防音的にも優れているから、などなど。
http://01blog.blog5.fc2.com/blog-entry-43.html
今回は6m近く幅のあるドライエリアを活かして外を感じる生活空間をつくってみたい。
大きく開けることができる窓にして、ドライエリアと一体化した空間をつくる。
室内外の境を取り払った外気を感じることは実に気持ちの良い場になるだろう。
住宅街の中にあっても、ブラインドなしでプライバシーが確保できるのも地下の魅力だ。
眺望がない代わりに余計なものを見ないで済む窓の外のビュー、
トリミングされて見えるのはコンクリートの壁と緑道の緑越しに抜ける空、更に手の届くところにも緑を加えようと思っている。
夜もライティングをして生活空間に取り込む。オープンエアで過ごすも良し、室内から見るのも良し、外の存在が生活の一部に入り込む贅沢。
もちろん好き嫌いはあるだろうが、地下住居は都市型住宅の1つの答えだと思っている。
落ち着く空間=「居ごごちのよさ」は人それぞれだが、
なんとも言葉では説明できない「地下空間が落ち着く」と言うのは、
動物の本能もしくはDNAに由来する人間に共通の感覚なのかもしれない。
かつては洞窟に始まり、竪穴式住居がルーツであるからだろうか。