こだわりのデザイン-3: 木製の格子扉 [ゼロワンの設計を語ろう]
今回もJーalleyから、アレイの入り口に大きな木製の格子扉がある。街と視覚的につながりつつも物理的な隔ての役割を電気錠にて制御している。建築の知識のある人が少し考えれば、木製格子扉というのは正確ではないことはすぐにわかるであろう。実はあの扉、骨格はステンレス製なのだ!まず他では見ることが出来ないオリジナリティ高い代物のはずだ。
構造的にはステンレスのフレームがありそのフレームに約50cm角の木製の格子をパーツ化してはめ込んであるのだ。よって、正確に表現するならばあの扉はステンレス扉に木製の格子をはめ込んだものとなる。
高さも2.6mほどあり、あれだけの大きな扉を本当に木製で作ろうとしたら、部材が「ごつく、無骨に」なりすぎてしまう。住宅らしい「やわらかさ」と自由が丘らしい「洗練さ」を木と言う素材で表現したくて考えたものなのだ。

人通りが結構ある場所なので、いかにも入り口でございますと言った感じではなく、スクリーン的な雰囲気、結界のような機能も盛り込みたかったので、どこが開く場所なのか?どのようにして開けるのか?わざと、わかりにくくデザインした。
そんな「いたずら心or遊び心」も当初は戸惑う人を見て、ニヤニヤしていたが、最近では正直、説明が面倒になってきている。

■工事中で見にくいかも知れませんが、ステンレスフレームだけのときの写真
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