ナイスなチェアを見つけた! [クライアントは僕]
モルタル床のシンプルな部屋に合うダイニングチェアを探してた、ずっと。やっとめぐり合えたのが、ハッリ・コスキネンによる木製のチェア。
ネクストマルニというブランドで注目を浴びるシリーズの中の一品。
(コスキネンはフィンランド出身のデザイナーで
Momaの永久展示作品になったブロックランプが特に有名。)

木製でこれほどのシャープなデザインはなかなかの逸品。
ナラ角材の細い足。座面を支える横架材も細く見せるために
上下ダブルに見せるディテール処理など、
なかなかうれしくなるデザインだ。
(ちなみに上の写真、
同じように見えるガラステーブルの足はスチールで、
重量は60kgほどもある超ヘビー級なのだが
チェアのほうは木製、片手でも簡単に持ち上がるほど超軽量)

このチェア、構成がかなりコンセプチュアルで
直線的でシャープな「線」の構成による構造フレームに
ぽつんと浮いた形で座面が乗っているのだが
座面は一転して緩やかな曲面のプライウッドで、
「薄い面」という構成となっている。
線と面の明確な使い分けや、
それぞれのエレメントがしっかりと独立している辺り
建築の構成にも通じるものがある。
全体的に細くて繊細な感じなのだが、
力学的合理性が高い組み立てに
背が低く腰までしかない特徴的なフォルムも手伝って
全体の印象としては力強ささえ感じる安定感ある椅子になっている。
椅子を知り尽くし、木材の性質を知り尽くし、
そして高い生産技術なしではできないデザインだ。