丹下健三死去。お悔やみ申し上げます。 [建築家のオフタイム]
丹下先生が都庁のコンペに取り組んでいる頃、ちょっとしたご縁で先生に多く接する機会がありました。
■日本の建築家の存在感を世界に見せた巨匠
いくつかあるご自宅のうちの一つ、その設計を丹下事務所の人と組んでお手伝いさせていただきました。
いつも穏やかに丁寧な言葉で、細かいところまで目を配り、適切なチェックが入ったのを覚えています。
デザインに関することより印象に残っているのは、「一段の段差は危ないから目立つようにしましょう。」「ここの排水は掃除しにくそうだから、大きく開けられるようにしましょう」、、、指摘を受けることが恥ずかしくなるような「建築計画」の基本中の基本に関する事が多かったです。また、奥様の意見に耳を傾けながらも、ご自身の意見をきちんと奥様に伝え説得する姿勢など、いろいろ勉強させていただきました。
丹下事務所の人の話では、先生がお話になっている間はトイレ禁止(いつも半日以上ぶっとうしなので大変だったそうです)、真夜中でも明け方でもがんがん変更指示の電話が入るので、スタッフは交代で事務所泊まりだったそうです。先生の建築に対する情熱を垣間見た気がしました。
先日はフィリップジョンソンの訃報も飛び込んできました。
モダニズムを築き上げた巨匠が相次ぎ亡くなったことは、時代の変わり目を見ているようです。
ご冥福をお祈りいたします。