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「すまいの品格」と「建築の品格」--#2 [コラム(blog版)]

前回の続きです。

そもそも、品格と言うような暗黙知を明示知に置き換えることがとても難しいのですが、すまいとして本来持つべきものの中でも、性能とかスペック(仕様・グレード)の部分は、比較的誰にでも判りやすい部分です。数値化やマニュアル化もしやすく、具体的には『コンクリート強度やスラブ厚さ』、『断熱性能』といった建物の仕様や『階数や向き』、『防犯性・防音性』、『設備』、『デベロッパー&売主』といった様々な項目に分けられ、それを点数化しているところもありますし、それこそ住宅性能表示と言った法律で定めた制度もあります。
性能が優れていて設備も申し分ない、仕上げも値段相応であれば、一般的には評価の高いすまいになるのでしょう。すまいの品格を目指して、不動産広告では、性能の数字自慢や、設備機器の多さや豪華さを競いあっています。

しかし、そこに見えるのは、 技術偏重のゆがみや住宅業界の時代遅れです。住宅の性能が社会的に信用されていないこともありますが、実際のすまい手のほうは、そんな数字や能書きだけで住まいを選んでるとは思えません。時計だって月間誤差が何秒といった性能を売りにしているものはほとんどなくなりました。洋服だって素材自慢をして宣伝してるのなんて見たことありません。すまいだって同じはずで、高性能と「魅力」とは別のもので、その基準には別の大きな何かがありそうです。それは、もしかすると「建築の品格」という、もう一つの別の品格が求められているのかもしれません。さて、そんな建築の品格ってなんなのでしょう?
<さらに続く・・・予定>
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