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歴史はくり返す? [コラム(blog版)]

時代と共に人類は進歩するというのはあたりまえだと思われていますが、歴史上には大きな後退時期が存在します。西洋にも東洋においても輝かしい古代文明の後、暗く長い停滞の時代がありました。

ヨーロッパでは古代ギリシャやローマ帝国が衰退してからルネッサンスまでの間、いわゆる暗黒の時代と言われる時期です。もちろんこの時期が次にくるルネッサンスの下地になっているのですが、土木建築一つをとっても、コロッセオや水道橋というような高度な技術と規模の建築ができたのは古代文明の時で、その後の数百年いや千年前後もの間、特筆すべきような建築物はつくられていません。経済の後退なら容易に想像できますが、技術までも大きく後退した過去が実際にあったのです。

セコビア水道橋
原因は様々な説があるようですが、そのうちの一つに人間の価値観の変化があったと言われています。勤勉や効率による物財への執着が薄れ、長い余暇に充実を求め、清貧や主観的な満足を求め始めたと言うのです。今風の言葉に置き換えれば、イケイケドンドンで、高収入や贅沢をを得るより、ロハスなライフスタイルで精神的満足を求める・・・一体いつの話だろうと言うような変化があったのです。

そのきっかけは、実はエネルギー問題だといわれています。当時のエネルギー源である森林の伐採のし過ぎによる枯渇の結果、エネルギー不足となり物財供給の限界が見えてきたことだというのです。(このときの伐採により中央アジア、中東は砂漠化してしまい現在にいたっています。)このはなし、2000年前の話ですが、森林を化石燃料(原油や石炭)に置き換えれば、まさに現在のような話です。

技術の話においても職人や技術者などの技の継承問題があります。建築では基準法改正による構造計画の硬直化の問題もあります。誰でもわかる構造にするということは、単純に高度な構造計画を排除するということになるのです。実際、いままで普通に建ててきた建築の構造計画が、法改正後はできなくなる、もしくはとても厄介なものになりました。ある著名な構造家が「優秀な若者よ、こんな日本では能力を発揮できないので、国が再度方針転換をするまで、しばらく海外で活動せよ」と雑誌で言ってます。

停滞と言われるのがスローライフでエコロジー、地球にも人にもやさしい時代に向かうのであれば良いのですが、かつての停滞時は社会的にも荒廃し、疫病が蔓延し、、、と、およそ望ましい姿とは思えない時代だったようです。歴史は繰り返される。。。まさか、今再び暗黒の時代に向かっていると言うことはないですよね??

1992年の堺屋太一氏による「風と炎と」と言う本を読んでいたら怖くなりました。
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