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林雅子と秋吉敏子 [建築家コラム]

前回に続き女性シリーズ。建築そしてJazz界における女性アーティストの草分け的存在です。
林雅子は女性として最初の日本建築学会作品賞を受賞し、1985年には米国建築家協会から名誉会員に推挙されると言った輝かしい活躍をした方です。
その作風は、、、
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パイオニア精神そのままの力強さを持ち、およそ女性をイメージさせません。
「私は“空間の骨格”の明らかな建築を造りたい」と語っているように、建物全体の構成や空間づくりにこだわり、日本建築の伝統を受け継ぎながらも、形式にとらわれず、現代の技術とデザインを駆使した、ダイナミックな構成とデザインが特徴です。スタート時はまだまだ男社会であった建築設計の世界に女性が進出する道筋を開いた実力者です。
秋吉敏子も’50年代からアメリカで活躍しグラミー賞を11回受賞、『国際ジャズ名誉の殿堂入リ』を果たした、日本が世界に誇る天才ジャズ・ピアニスト。単なるピアニストにとどまることなくビッグバンドのリーダーとして、作曲、編曲者としても世界的な評価を得るなど活躍の範囲も広い。ビッグバンドのリーダーを務める女性と言うのも'50年代に思い浮かぶ女性ジャズピアニストも他に思い当たりません。和風の旋律をジャズに取り入れた独自の音楽、水俣病や原爆などをテーマにしたメッセージ性の高いコンセプトなど社会性を持った音楽家です。

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華やかなイメージばかリ脚光を浴びますが、やはり開拓者の苦労も多かったようです。また、作品からは感じられない素顔の部分では、常に女であることをしっかりと意識していたようで、「女は疲れるのよ、、、」と林雅子はスタッフにこぼしていたと言います。秋吉敏子も著書「ジャズと生きる」の中で、華やかな表舞台よりも、たちはだかる人種や性の壁、そして出産・離婚…。波瀾に満ちた過去を多くつづっています。
林雅子は女流建築家と呼ばれることを嫌い、仕事の世界では決して女であることを売りには決してしない厳しい姿勢を貫き、生涯を現役で貫きました。
秋吉敏子は30年続けてきたビッグバンドをあっさりと解散し、今後はピアニストとして再スタートだと張り切っています。
共に和風の魂を秘めた「大和なでしこ」のパイオニア精神はいくつになってもとどまることを知らないたくましさ。つめの垢を煎じて飲みたいほどです。(すごい「ことわざ」だな、、、想像したくない)
⇒他の同シリーズも読む「建築とジャズ」目次へ
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イノセンス オリジナル・サウンドトラック

BSで放送されたのを観てすぐ買って、夜、余計な生活の音を排除して聞きました。CDウォークマンでボリュームちょっと大きめで、サラウンドをかけて聞きました。謡シリーズに鳥肌たちまくりでした。ほとんどこれは恐怖体験です。和太鼓の音に恐怖を感じるなんて初めてです
  1. 2007/10/04(木) 06:37:46 |
  2. ジャズを攻める