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フランク・ロイド・ライトとソニー・ロリンズ [建築家コラム]

モダニズムの時代にあって、時代の主流とは一線を引きながらも巨匠として君臨、圧倒的な知名度と人気を博した二人に共通するのは、コンセプトや言葉の影響力ではなく、際立つ個人芸を存分に発揮するところ。挫折とブランクを乗り越え見事なカムバックを果たして大きくなってきたことだろう。
ライトは「有機的建築」と言った理論を展開し、実践していくが、、、

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■「サックスフォン・コロサス」天然の明るさがあふれる名盤
どうしてもその優れた作品の個人芸に目を奪われがちで、近代建築理論のように広まる事はなかった。落水荘を始め一連の住宅も皆美しすぎて、その方法論より作品そのものに賛辞が向いてしまいがちだ。「住宅は芸術作品たることによって、より住いらしくなる」ライトの言葉が象徴している。それだけでも十分と思われるが、歴史上の名前としては作品の完成度とは別に、時代を切り開く新しさ、影響力がその評価に大きく影響しているように思われる。クライアントの夫人と駆け落ちをし、信用を失ったライトは長くブランクのときを過ごすが、見事カムバックを果たし名作「落水荘」を作った。日本文化やマヤ文明の影響も強くけたライトの作品とその名前は広く万人が知る、アメリカの生んだ天才ポピュラー建築家だ。
黒人の悲哀を音楽にしたといわれるジャズの世界で、ソニーロリンズはカリブ出身の母親の血を受け継いだ開放感に満ちあふれた、陽気な音が大きな特徴だろう。20代前半にしてアドリブの世界を極めたその才能は天才を思わせるが、陽気な天才のイメージとは裏腹に自身にとても厳しい人だった。時代の流れを敏感に感じ取り、意識するのだが、その転換にすぐついていくことが出来ないロリンズは、自身を見失うと言っては雲隠れを繰り返し、その間は禁酒、禁煙のうえ、来る日もくる日もサックスを徹底的に練習して自分を取り戻してきたそうだ。そして、カムバックのたびに名作を残していく。
その後、さまざまな方向へ進むも、基本はサックスを知り尽くした名人芸で、バリバリ陽気に歌う*ロリンズはジャズ界最後の巨人と言われている。

*歌う:と言われるほど雄弁にサックスを奏でる

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