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「世界でいちばん住みたい家」 [建築家のオフタイム]

赤池 学 , 金谷 年展 (著)

病気をつくる家、健康をつくる家
人を殺す家、人を生かす家
財産をなくす家、財産をつくる家
未来をこわす家、未来をつくる家・・・・・


世界で一番住みたい家
刺激的な言葉が綴られていて、設計に携わる者としては身の引き締まるような内容です。1998年に出た本で、個人的にはJ-alleyの設計を始める頃といった時期ですが、10年を経て改めて読みました。
当時はシックハウスが社会問題となり、シックハウス法といった法律ができた時期で、この本の影響も大きかったのではないかと思われます。特定の企業のPR本とも取れる内容の本ですが、シックハウスや地産地消といったテーマは、今読み直しても、色あせることなく、その言葉の重みはますます増しているように思います。

ただ・・・・・すべて正しいことを言っているのですが、若干、違和感を覚えてしまうのは設計者の性でしょうか。
たとえば、この本を「家」の話ではなくて、「食べ物」に置き換えると 理解しやすいかもしれません。「国産で無農薬、無添加、安全な食べ物で、栄養バランスもよい。」 そうです、これが、「世界でいちばん食べたい食べ物だ」と言われると、何かが違うと思いませんか?
食べ物であれば、やっぱり美味しく、そして美しくありたいし、食事であれば楽しくありたいですよね。
これは正しいとか、数字のような点数で表せないところですが、実はかなり重要なところだと思います。とかく家の話になると、性能や価格など数字や言葉で比較しがちで、この「気持ち」のようなところが、なぜか欠けてしまうことが多いように思えます。
僕らが大事にしたいのは、まさにこの部分、なかなか客観的な評価はしにくいし、言葉で表現しにくいこの部分こそが、とても大事なところだと何時も考えています。

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