巨匠が目指したもの、それを目指すもの-ミース. [建築家のオフタイム]

Ludwig Mies van der Rohe(ルードヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエ:1886-1969)

ドイツ生まれのミースは、巨大化していくナチスから逃れるために1938年にアメリカへ移住。
「Less is more! より少ないことはより美しい」
「神はディテールに宿る」 はあまりにも有名な言葉。
徹底したモダニストで、正に「鉄とガラスの建築」はミースそのものだ。

20050411200933.jpg

■1951年、シカゴ郊外にある女医のための週末住宅
ドイツ時代に有名なバルセロナのドイツパビリオンを設計、バウハウスの校長も務めた。大歓迎で受け入れられたアメリカでも、その期待通りの実績を残している。イリノイ工科大学の教授も務め、シーグラムビルなどを通じ、誰にでも開かれた「ユニバーサル.スペース」を展開していった。アメリカ人建築家、20世紀後半の巨匠フィリップ.ジョンソンにも多大な影響を与えたことは有名だ。

「Less is more!」に対してポストモダンの時代に「Less is bore! より少ないことは退屈だ」と批判するものもあったが、徹底的に殺ぎ落とされたディテールの美しさは今でも輝きを失うことなく「軽くて透ける研ぎ澄まされた建築」は多くの建築家の憧れでもある。ミース.スタイルは世界中に見られるが、真髄であるその巧みなディテールやピュアな建築の組み立てと材料の使い方は誰もが手を出せるものではない。
ミースは非常に内向的な人で、彼にとって人間は疎ましい存在だったようだ。彼の思い描く風景からは人が決定的に欠落していると言われている。「無名性」「時代精神」を重んじ、時代を象徴する建築ならば「その建築家による作品」というよりも、「時代の象徴」というところに価値があり、誰がつくったかはあまり関係がない、という考え方だ。自己アピールの強かったコルビジェとは対極である。
シビアな予算も要求も、高層建築も箱型もそれは「時代」のニーズとして捉え、大量生産が可能な工業製品を用いた普遍性ある回答を示した。よって「ミースまがいの建築」が都市を席巻するのは彼の望むところであったろう。
晩年に至っても組織化された事務所でまさに時代の申し子のごとく産業主義モダニズムの象徴としてのアメリカの建築群を作りつづけた。

「ミース」はかつて僕の飼っていた猫の名前でもあり、元スタッフ市川君の愛犬の名前にもなっている。(知ったことではない、、、ですね。笑)

コメント

この2連のお話、建築について無学な私でも
興味深く拝見しました。

コルビジェは優秀なマーケッターの一面を持ちこのミース(この人の事は知りませんでした)は建築をより学術的に捕らえていたといった感想を私は感じました。

まあ先達は凄い事言いますね「ディテールに
神が宿る~~~」

至極納得いたしました。
  1. 2005/04/13(水) 11:30:56 |
  2. URL |
  3. 金原宏治 #-
  4. [編集]
金原さん、こんにちは、ありがとうございます。
たしか、金原さんはコルビジェのテーブルでしたよね。いかがですか?使い勝手とか、、家具「が」人もインテリアも選ぶと言うことを聞いたことがあります。
コルビジェの家具にふさわしいインテリアはまだまだ少ない住宅事情の中、金原さんの場合は人も器も申し分ないので、家具が分をわきまえて生活に溶け込んでいますね。うらやましい。(かつ、うれしく思っています)
  1. 2005/04/13(水) 14:01:57 |
  2. URL |
  3. 伊藤 #GVtlOqMc
  4. [編集]
サッシュなどのディテールを考えるときは知らず知らずミースをイメージしている。あれほどスチール型材の美しさを見せつけらると、アルミサッシュが野暮ったく見えてしまう。
「Less is more」はどこにでも通用する一つの真理のようなものだ。
たとえば、身近なところでは展開図一つの中でも、いかに線を減らし整理していけるかが大切だし、言葉も同じだ。
減らせないものには必然性か魅力があるから残すんだというくらいの意識を常に持ちたい。
  1. 2005/04/13(水) 17:37:15 |
  2. URL |
  3. self #GVtlOqMc
  4. [編集]
 コルビジェとミースの話は興味深く思いました。 かれらの建築は造形的に美しい、と思うのですが高温多湿の日本の気候を考えると自分にとって快適な住戸? シカゴや欧州の気候だから... と思ってしまいます。
 建築家との対話を通して我々の住まい方を捕らえて具体化してくれる、そのなかに新鮮な刺激を与えてくれる建築家にめぐり合えたら、コルビジェに比べて地味でもかけがえの無い存在だと思います。 
  1. 2005/04/14(木) 01:05:24 |
  2. URL |
  3. kzuyuki #-
  4. [編集]
kzuyukiさん、ありがとうございます。
施主と設計者の理想的な関係ですね。
施主の方から、そのように言ってもらえることは最高の栄誉だと思います。
そのためにも設計者は人間力と専門知識を磨く不断の努力が必要ですね。
  1. 2005/04/14(木) 12:21:14 |
  2. URL |
  3. 伊藤 #GVtlOqMc
  4. [編集]
伊藤さん、やけに褒め過ぎですね。

01さんにお世話になりましたコルビジェのテーブルですが気に入っています。「8人飲んでも大丈夫!(イナバ物置の受け売り)」ってな感じでしょうか。大きさがこのデザインを良く生かしていると思います。同デザインでサイズの小さいものは入る入らないは別にして私には全く魅力を感じさせない物です。

このブログは楽しいですね。楽しみに読んでします。しかし01さんとのお付き合いも長いので鋭い突っ込みも入りますよ~。

コルもミーレも良く知りませんでしたが読んでみると中々大したもんですね。それらを学んだエッセンスがTreppeの随所に生きていると思うと嬉しい限りです。フフフ。
  1. 2005/04/14(木) 12:28:02 |
  2. URL |
  3. 金原宏治 #-
  4. [編集]
ありがとうございます。
ブログのせいで最近は寝不足ですが、励みになります。
鋭い突っ込み?お手柔らかに願います。
  1. 2005/04/14(木) 13:24:11 |
  2. URL |
  3. 伊藤 #GVtlOqMc
  4. [編集]
URL: